彗星はあまり明るくならない為に天体望遠鏡や双眼鏡等を使用しないと姿を見ることが難しい天体です。しかし、時には肉眼でも確認出来るような明るい彗星が出現することがあります。ここには、このような彗星となり、話題となった百武彗星〔1996年〕とヘール・ボップ彗星〔1997年〕に加え、残念ながら期待はずれに終わってしまったハレー彗星〔1986年:天体望遠鏡を使用〕の写真を展示しています。なお、撮影データは記録していないので露出時間はおおまかなものとなっていますのでご了承ください。
●余談●
肉眼では見えるのにファインダーから覗くと彗星が見えない時があり、そのような時には、双眼鏡を使いながらカメラを彗星に向けるという技を使っていました。だから写真が出来上がるまで撮れているのか心配でたまりませんでした。
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1705年にイギリスのグリニッジ天文台の台長であったエドモンド・ハレー氏が1531年、1607年、1682年に出現した彗星の軌道が似ていることから次は76年後の1758年に彗星が戻ってくると予言し、的中させました。これは初の周期彗星の発見であり、これを称えてこの彗星はハレー彗星と名付けられました。(ハレーは1742年に亡くなっており、この彗星を見ていません)その後も76年毎(平均周期。観測によると76〜79年とずれがあることが分かっています)に地球に接近しており、最近では1986年2月9日に太陽に最接近、同年4月11日には地球に約6300万kmまで接近し、明るさは2等級となりました。この時に地上観測とは別に初めて人工衛星(6機)による観測が行われ、ヨーロッパ宇宙機関(ESA)の「ジオット」が彗星に突入して核の撮影に成功しました。なお、次に地球に接近するのは76年後の2062年頃です。
この彗星のチリが元になって毎年5月にみずがめ座η流星群、10月にオリオン座ν流星群が出現します。
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ハレー彗星
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1996年1月31日に日本のアマチュア天文家の百武裕司氏が発見した彗星です。1996年3月25日に地球まで約1530万kmまで近づき、明るさが0〜−1等級、尾の長さが少なくとも3000万キロメートル以上と予想を遥かに上回る大彗星となりました。
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百武彗星
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1995年7月22日にアメリカのアマチュア天文家のアラン・ヘール氏とトーマス・ボップ氏の2人が発見したことにより命名された彗星です。木星以遠で既に明るさが10等級あり、核の大きさは直径40km(ハレー彗星は直径9km)という他に類を見ない大彗星でした。1996年夏頃から肉眼で見ることが出来る明るさとなり、1997年3月22日に地球に約1億5千万kmまで接近、1997年4月1日の太陽最接近(約1億5千万km)前後は明るさが−1等級となりました。2001年3月時点で太陽から約20億kmも離れているにも関わらず活動的で通常では考えられない尾が出ている様子が天体望遠鏡で観測されています。なお、周期が約2550年ですので次に地球に接近するのは46世紀中頃です。
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ヘール・ボップ彗星
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